思うところがあって、世界経済の構造はどのようにな変遷を経ているのか、その中で、日本はどのようポジションにいるのかを調べてみた。
私が漠然と思っていたイメージとあまりにも異なっていたので、ウーンと唸っているのだが、以下、考察を加えてみたい。下図はこの30年間の世界GDPの10年単位の推移である。

gdp

この表で見ると、世界経済の規模は10年単位で二倍になっている。90年代は1.5倍だが、その前後の10年間はそれぞれ二倍である。世界経済って、こんなにダイナミックであったのである。驚きである。
次は、90年代が成長としては低迷期であったということである、私の予想では、90年代は、IT/ネットの技術が民間に開放され経済を加速し、旧共産圏が西側経済に組み込まれ、欧州は景気拡大、ただ、日本だけがバブル崩壊の後遺症にあってブレーキになっているという構図だったのだが。
むしろ、下はG7諸国のGDPを見ると、欧州は成長カーブが書けておらず、旧共産圏を吸収しても、成長に結びついていなかった。日本は95年まではなんとか成長カーブが書けていたが、ここで脱落した。米国だけが、順調な成長カーブが書けている。
うれしいことに、日本は2005年以降、持ち直してきているように見える。が、これは「行き過ぎた円高」でGDPが底上げされているだけかもしれないから、喜ぶのは早計だろう。それに、2010年に中国にGDPで抜かれているし。G7の名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?type=WEO&d=NGDPD&g=XB

 

今、米国の地盤沈下が言われている。確かに、米国のシェアは落ちているが、今の段階では、日本・欧州の脱落の方がはるかに大きな要因になっているような気がする。米国の衰退心配するよりも、自分の衰退を心配するべきであろう。

本当は、「世界の工場、ニッポン」の考察をしたかったのだが、実は、世界GDPは10年で2倍になっているという活力のインパクトに考察が流れてしまった。「世界の工場、ニッポン」の考察は次の機会にすることにする。