今回は、昔の話をしたいと思う。しばし、お聞きあれ。

私は富士通に入社して、北米ビジネスに配属され、アメリカ人 (そんな人種・民族はいないのだが) と一緒に仕事をした。本当に面白かったし、色々な発見があった。
その時の経験からして、日本はアメリカの90年代にも達していないと思う時がある。
その中でも私が「うわッ」と思ったのが、CI, Competitive Intelligence (最近は日本でも見かける単語になったし、私も富士通を辞めて8年になるから、いいでしょう。

90年代後半、富士通のアメリカ現地法人が某米国情報機関のOBを雇った (当時、通信バブルもあり、各社は何でもありで人材を集めていた。例えば、Nortelは南米テロ地域でのインフラ設置の為、元CIAを雇っていた。)

彼が最初にやったことは、CIという事で、競合他社・顧客のデータベース構築。
そのデータベースを見ると、一つ一つは当たり前の情報なのだが、全体を通すと有意な情報になっている。私の第一印象は「フーン」。
第二印象は、これがかつて彼がいた情報機関のやり方であろうということ、こんな仕事のためにアメリカ現地法人が彼を雇ったということは、アメリカにとってはこれは常識以前の事なのだという事。
これがアメリカの底の深さ、情報活動の豊かさだという事。外面だけを見ていてはわからない。これがあるから、アメリカは最終的に勝つ。
「ローマ人はロジスティクスで勝つ」という事になぞらえて、「アメリカ人は情報で勝つ」と。 (塩野七生が言った?、私が言った?。当時の私は塩野七生の「ローマ人の物語」を愛読していた。) 今流でいえば、BIG DATAでしょうか。

別の例えで言うならば、氷山は9割が水の中、水上に見えるのは1割。人は水上の1割も氷を見て騒ぐ。そして、間違える。情報・インテリジェンスも同じ。オモテに出てきたモノだけで判断してはいけないのです。
常に、水面下にある9割を思わなければならない。

日本のインテリジェンスは底が浅い、単純。
アメリカではインテリジェンスの底が何重にもあるが、日本は底が一層。
「アメリカは情報機関が多すぎる」と日本のマスコミは揶揄する。当たっている面はあるが、大きな的はずれでもある。それだけ、アメリカは多面的に情報を収集し、多面的に分析する。そこにアメリカの多様性、自浄能力、矯正能力の源泉を見なければならない。

私は去年、i2f.bizというサイトを公開し、多面的なインテリジェンス提供を始めましたが。これが価値があると思った理由の一つにこのCIがある。日本企業に欠けていると考えたからです。これは日本人の思考様式の延長線上には無いのです。

今年は、当社は、日本のインテリジェンスの多層化と日本企業が多層化されたインテリジェンスをもって世界と張り合っていけることに協力していきたいと考えます。
ここまでの話は、私の20年前の経験に基づいての話です。
こんな日本の役に立つならば、嬉しいとは思う。でも、それ以上に情けないと思う。でも、日本はそこから始めるしかない。

もう、私も富士通を卒業して5年以上(8年)経ったし、私が富士通の海外ビジネスで学んだ事、富士通が北米ビジネスで成功したコツを、富士通以外の人に、固有名詞は避けつつも、出していっても、いいでしょう。(いいでしょう?)

今年もよろしくお願いいたします。